天気に恵まれてGWの活動も順調です。今日は岐阜県の道の駅へ出動でしたが強風とのコラボショーでした!(笑)
さて、今回のブログテーマでは、大きな大道芸フェスティバルなどに出演、参加をする時に注意点や重要なことをまとめてみました。特に音響機材についてスピニングがいつも気をつけていることなどを自分たちの覚え書きでもあるので箇条書きにしてみました。
1)先ず、なにはともあれ良好な電源の確保です。最近はポータブル電源が高性能になったおかげで、コンセントから電力をピックアップできないところであっても、さほど大問題ではないのですが、一日で3回、4回と回数をやるとなるとそれなりに容量も大きな物が必要になります。出力だって使用する機材が要求している電力に対し、ある程度は余裕のあるものであることが望ましいですね。ポータブル電源って言っても容量、出力が大きなものは筐体が大きく重いので、フェスティバルなどで徒歩移動するのも大変。
かと言って現場にあるコンセントに頼り切っていても電圧(V)、電流(A)が機材に見合っただけ確保されているかという点も確認したいところではありますが、特に大きなイベントなどではパフォーマー入れ替わり時間の都合もあるので、そうそう思い通りにはできません。
電圧(V)が不十分だと音量が上がらなかったりするし、ブレーカーの電流(A)が足りないとショーをしている途中でプツリ!!ブレーカーが落ちサイレントショーをすることにもなりかねません。(笑)
安定化電源などの音響用の専用コンセントや、パソコン用などでも良いので無停電電源装置があると良いのですがこれもまた重くかさばりますし、何よりも機材が高価です。
スピニングは2022年に参加した時に国道2号線にあるファミリーマート駐車場でショーをした時に電圧降下で苦戦しました。おそらく簡易PAとワイヤレスのセットだけなら問題なかったのかも。スピニングは特に装備が多いので、2日目も同じポイントがあったためポータブル電源を使用した経験もあります。
300人、400人と大勢のギャラリーに対応する時など、ステージパスのような簡易PAのパワードミキサーでも電力を使うので要注意です。結局はポータブル電源など自力で出来るだけの装備は必須だと思います。コンセントを使うにしても、ミキサー、アンプなどは自力で電力確保をしていて、昨年購入したポータブル電源がこれらの救世主でありました。
そのポータブル電源にはUPS(無停電電源装置)と呼ばれている機能があり、充電をしながら使用することが可能です。つまりリチウムバッテリーがフルの場合には充電側から出力側へスルーに電力供給されていて、何らかのトラブルで停電、電源カットしても瞬時にバッテリーからの電力供給に切り替わるというもの。容量も十分で急速充電にも対応しているので、コンセントがある現場でも安心できるのでスピニングは常にUPS機能があるポータブル電源2台を持ち歩いて使用しています。
2)次にワイヤレスマイク。フェスティバルではあちらこちらで一斉に使用するので電波干渉には気をつけています。随分と前のことですが、2.4Ghzなどデジタルワイヤレスを使用していたこともありましたが、ギャラリーの皆さんが使用するスマホ、その他のブルートゥース機器や、キッチンカー等が周辺に多い場合など電子レンジの影響で途切れやすいこともあります。確かにデジタルは音声もクリアでノイズも殆ど無いし音質的には良いですが、アンテナ設置など機材のセッティング次第。あるいは環境次第だと思っております。
他にも最近は中国製の安価で簡易的なヘッドセットも多く販売されており、ブルートゥース接続でワイヤレスシステムが簡単に使えるというものもあります。小規模であれば使えなくはないですが、チャンネルを指定できる機能が無かったりするとフェスティバル内では自動ペアリングがうまくいかないなどハプニングも。
ヘッドセットにトランスミッターが付いているなどケーブルもなく動きやすいメリットもあると思います。確かにペアリングが確実で、接続状態も安定さえしていれば小型で携帯性も良く、USBからのリチャージに対応していて便利だとは思いますが、フェスティバルではどうかな?という印象で使っておりません。
色々と経験をして対策を試したりもしましたが、最終的には800Mhz帯に戻り落ち着いてます。一番安定していて30チャンネル内から手動で設定できるので、早めに現場に到着して待機時間などに周辺の電波状況などを確認して設定を変えることもあります。OK!ヒロヤとちょんまげケイタの2人分で2波しか使いませんが、突然の電波干渉が発生した時のために別チャンネルにあらかじめ設定したワイヤレスをもう1セット持ち歩いていて、スイッチオンで直ぐに切り替えられるようにしています。
スピニングはワイヤレスマイクに関してのハプニングを乗り越えた経験値は膨大です。(笑)他にも激しい動きをしているのでヘッドセットのハーネスを切ってしまった!汗でマイクのピックアップが音を拾ってくれなくなった!などなど、数え切れません。
3)iPodなどの音源。これは5月という時期は非常に微妙なのですが、晴天であれば直射日光にさらされて液晶ディスプレイが真っ黒に。あるいは「高温で…」とメッセージが表示され一時的に起動できなくなって焦ることに。3月、4月はそのようなことが無く、気を許していると忘れたころに遭遇するトラブルです。7月、8月にように連日猛暑などという環境では用心することを忘れないと思うのですが、GW、5月という時期は油断禁物です。
スピニングもGW中の富士急ハイランドでの大道芸フェスティバルに参加している時には何度か経験があります。富士吉田は愛知県などに比べると気温が3~4℃くらいは低いのですが、それでも直射日光がダイレクトにデジタルオーディオ機器にあたってしまっていると機能しなくなります。待機状態になった時は日陰だったのに、次の出番になったときにはバッチリ日向になっていた!なんてことも。こんな教訓で今でもiPodは常に稼働しているのは2台だけですが、手元には常に予備機3台があります。
どうしてもすぐに復活させなければならない時にはスポーツ用の瞬間冷却スプレーが有効でした。「高温で…」とディスプレイに表示が出て、操作できない時にはiPod本体裏側に2~3秒シュー!で大抵は素早く解決していました。保冷剤やクーラーボックスの中に入れて待つよりも遥かに早いので助かります。おお~!スピニングもストックが無くなったので買ってこなくては…。
4)ミキサーなどのメンテナンス。2月、3月、4月と季節現場に出動している時には強風の日も多く、砂ぼこりに機材がさらされます。音響台は箱状の中にミキサーなどがある為少しは防ぐこともできますが、それも気が付くとミキサーやデジタル音源機器の上にはうっすらと砂ぼこり。エアースプレーなどで小まめに掃除したり、使っていない休憩時間などはタオルをかけて置いたりしていますが、やはりボリュームなどに入り込むとガリを発症するのでミキサーに関しては定期的なメンテナンスは必要になります。
先日、たまにはメンテナンスしないと…と思いミキサーやらアンプなどを音響台からおろして分解しクリーニングしました。小型のミキサーは新品に交換、StagePasはある程度分解して点検とクリーニング。他にもスピニングは12Vで駆動するアンプも使用しているのですが、これの電解コンデンサーのハンダが外れているのをメンテナンス中に発見。大容量のコンデンサーは意外と大きくウエイトもあるので、常に車移動で振動があるためハンダ割れ、ハンダ外れは要注意です。基盤を外して目視できるハンダポイントは全てハンダし直し、固定できるところはホットボンドで固定をしました。このアンプベースはアゼストの車載用ですが、8割は改造してしまっているのでオリジナルは端子の部分くらいしか残っておりません。
更にパワフルなアンプはこれからの時期は熱対策も重要なのですが、電動ファン4個の内2個がまともにファンが動いておらず、ショーをしている途中でセーフティ回路が作動し音切れしてしまうトラブルに遭遇。これはうかつでした。早速、パソコン用の大型で強力薄型の電動ファンに4個交換。
左側が交換前、右側が交換後。この見た目の違いはそのまま性能差となり効果絶大でした。
5)スピーカー。オペレーター側からすると音響機材一番ラストになる部分。ステージショーなどでは本格的なPAがあり、ライン接続などもしてもらえるので助かりますが、普段の大道芸やフェスティバルの各ポイントでは自前のものを使用します。ポイントによっては気を利かせていただき、簡易PAセットなども配備されている場合もあります。元々自分たちが使っている機種と同じものであれば活用させていただいたりしますが、機種が違うと音質にも差が生じ、ミキサーやイコライザーなどを再調整しなくてはならず時間を要することになってしまうので、いつも使い慣れたものを持ち歩いて使用します。
ただ、スピーカーもポータブル電源と同じくらい大きく重たいものなので、できるだけポータブル性に優れた機種が好まれます。スピニングは昨年までYAMAHAのSTAGEPAS400BTという大道芸界ではもっともポピュラーの機種を使っておりましたが現在はスピーカーだけは別のメーカーの機種に変更。
BEHRINGER PK110というパッシブスピーカーで、10インチ 500Wです。特に音が良いから選択したわけではありません。軽量で持ち運び易く、何よりもリーズナブルであったのが選択理由です。駆動はSTAGEPAS400と組み合わせても問題なく使用できるためSTAGEPASのスピーカーが破損してしまった場合などには大きさも同じくらいで手頃なプライスだと感じました。もう一度書きますが、とりわけ音が良いわけではありません。大道芸現場のように多少のことなら我慢できるので使っております。正直、思っていたよりも、そこまで悪くはなかったです。
モニターもスピニングは重要。特に一つ一つの技を繰り出していくスタイルではなく、1つの演目ごとにルーティン化して音に合わせた流れがあり、OK!ヒロヤもちょんまげケイタも耳から得る音の情報で動いているのでモニターについては必要性があります。
パフォーマー用はBOSEの101です。随分長く使用していますので中身のパーツは何度も入れ替えたりオーバーホールして使いまわしています。元々はレストランやカフェなど店内用としてや、家庭用のステレオスピーカー用なのですが、スタジオなどでもモニター用としては定番で、スピニングの大道芸現場には欠かせない機材です。
そしてもう一つのスピーカー。オペレーターをするTOMOじぃちゃん用(笑)です。同じように音でタイミングや所要時間を計っているのでオペレーター用のモニターとして自作しました。というよりも、このナイスなアイデアはPERFORMER CHIKIさんが考案したものです。大道芸現場向きというかプロテクターケースをスピーカーケースにしてしまうというのが何かと便利です。
ちゃんとCHIKIさんに「パクらせてもらっても良いですか?」と、本人正式公認済み(?)のスピニングの自作品です。
携行性も良し!収納性も良し!雨が降ったら蓋を締めればよし!!爆音で鳴らさなければ車載用の6インチ程度のスピーカーでも役割を果たしてくれています。
今回はスピニングの音響機材の話題がテーマでした。