今回はサウンドボードシステムにあるモーションコントロールについての話題で、「勝手に電源が落ちる」「使用しているとブレードがオフになる」という実際にお問い合わせいただいた内容で「ユーザーQ&A」として情報共有したいと思います。

もう随分前のことで、お客様からお問い合わせいただいたのもサウンドボードがXenoPixel仕様の話題なのですが、こういう事例というのはXenoPixelだけではなく、モーションコントロール(※一部のサウンドボードシステムではジェスチャーコントロールと呼称している場合もあり)を有しているサウンドボードすべてに共通して言えると思いますので、今回「ユーザーQ&A」として取り上げさせていただきました。

少し前の旧型のサウンドボードも含めてRGB-X、XenoPixel、XENO3、XRGB3、SN-PIXEL V3、SN-PIXEL V4、SN-PIXEL V4 PRO、GHV3などはモーションコントロールのあるサウンドボードなので下記事例の対象になると思います。

前回もこのモーションコントロールを扱う上で特異なヒルト形状の場合などはコツなどがあるという話題でしたが、今回もこのモーションコントロールを初めて使用するユーザーさんからのもので、モーションコントロール機能をあまりご理解されていないことで生じていて、特にXenoPixel時代のことなので、モーションコントロールに不慣れな為に発生した事例でありました。

 

それでは、ユーザーQ&A事例をご覧いただく前に「モーションコンロトール」についてどのような機能なのか、ビギナーさんには基礎知識として、ベテランさんにもそこをもう一度おさらいして、その機能を使いこなすためにどういったものなのかを見てみましょう。

数年前にスイングONという機能が発案されました。最初はRGBモデルなどに搭載され、ボタンスイッチ(モーメンタリスイッチ)を操作することなく、ヒルトを振り下ろすなどの、いわゆるスイングさせることでブレードを起動するという機能がありました。

その後もスタブモーション(突き刺す動作)、ツイストモーション(捻る動作)などが追加され、スイングモーション(振る動作)を含めて現在のモーションコントロールが標準的な機能として各サウンドボードに搭載されるようになりました。ちょうどRGB-Xが初期仕様の9フォントから 後期仕様の12フォントにバージョンアップした仕様になったときに搭載され、その後はXenoPixel登場、SN-PIXEL V3の登場、二つのサウンドボードのリリースタイミングと合って、どちらにも標準化されXenoPixelは現在のXENO3、XRGB3へと進化し、SN-PIXEL V3は現在のSN PROへと進化していきます。

 


上記図でもお分かりのようにヒルトの動きを大きく分けてスイング(振る)、スタブ(突き刺す)、ツイスト(捻る)、という3つに分けておきます。どれもブレードを起動するためのモーションですが、ブレード起動だけではなく、現在は様々な設定変更やエフェクトの発動などにも使われております。それは、それぞれのサウンドボードの仕様なので一概には「ツイストで〇〇〇ができる!」とは言えず、サウンドボードごとの操作マニュアルをご覧いただければと思います。

また、これらの3つのモーションには感度が設定できるようになっているサウンドボードシステムもあります。XENO3・XRGB3でもSN PROでもそれはアプリからでも、設定ファイル(config.ini)からでも可能です。(※configの どこを書き換えるのかは後で記載しておきます)

アプリでも設定ファイルでも、場合によっては不必要なモーションコントロールをOFFにしておくことも可能です。例えばXENO3ではBGM再生にもツイストモーションは使用されており、ブレードの向き(角度)によってはブレード起動ではなく、BGMが再生される機能でも併用され、更にはサウンドフォントの変更設定においてもツイストモーションが使われます。

なので、ありがちなこととして、ユーザーはBGMを再生しようとしてツイストモーションをしてもブレードが上を向いているか、水平なのか、下を向いているのか、ボタンを押しながらツイストしてのかなどによっては思っていたのと違う動作をセーバーはしてしまいます。忠実なのはサウンドボードの方で、ユーザーの指令を遂行しているだけなのですが、ユーザーは意図しない状態を発動してしまうと「壊れた!」「故障だ!」と思われがち。

当ブログをご覧いただいているユーザーの皆様は既にご理解していただいていると思っておりますが、これが「思い込み故障」ということであり、本当は故障などではないのです。

 

そんなモーションコンロトール基礎知識を備えていただいたところでユーザーQ&Aの事例をご紹介します。

今ではユーザーの皆様が慣れてきたということもあると思いますし、当たり前の機能としてモーションコントロールが認識されている時代になり、下記の事例のようなお問い合わせは全くなくなりましたが、XenoPixelが全盛のころは何度か同じようなお問い合わせに対応したことを記憶しております。

 

 


◎ユーザーQ

レヴァンVer1 XenoPixelを所有のお客さんから「クッションなどを叩きながらクラッシュ音を試していた時に勝手に消える」

もう一人別のユーザーさんから同じレヴァンVer1 XenoPixelでも「使っているときに勝手に電源が落ちる」

 


◎OK!STOREスタッフA

複数の原因が考えられます。

①ブレードの取り付けをご確認ください。XenoPixelはネオピクセルブレードを使用しておりますので、ブレードの差込口奥にはPogoPin基盤と呼ばれているダンパー効果(クッション効果)のあるピンがあります。ブレード端末の年輪基盤との接触を維持するためにダンパー効果が必要なのですが、ブレードの差込が不十分だと接触が維持できず、ブレードへの信号が途切れるため、ブレードが突然消灯する、もしくは電源が勝手に落ちるという症状に繋がります。

マニュアルにも書かれておりますが、クッション効果が無くなる位置までブレードを軽く抑え込みながらイモネジを締めてください。

②振り下ろしている時にヒルトをひねってモーションコントロールでツイストOFFを無意識に使ってしまったことも考えられます。バトルプレイなどで激しい打ち合いをしたり、セーバースピンを楽しまれる場合には自分の意図としてではなく勝手な作動をしてしまうこともあるので、モーションコントロールを全てオフにしておくことをお奨めします。

③勝手に電源が落ちるという症状が出た場合、一時的な電力不足ということも考えられます。頻繁にサウンドフォントを切り替えながらブレードのON・OFFを繰り返し、エフェクトを何度も連続で発動させるなどでリチウムイオンバッテリーの消費が一気に増加し、著しくパワー低下していることも原因のひとつとして考えられると思います。すべてのサウンドフォントで直ぐにでもやってみたいというお気持ちは十分に理解できますが、少し休憩しながら、時にはリチウムイオンバッテリーを充電しながらトライしてみてください。

④レヴァンVer1 モデルではスイッチボタンのポジションがヒルトのセンター付近にあり、握る位置によってはボタンに触ってしまうことがあります。また、スイッチサポートネジ(スイッチのヒルト反対側にある長いイモネジ)を締め過ぎるとスイッチ基盤が変形し、接触不良、もしくは異常な動作につながる可能性もあるので、一度緩めてから軽く締めていき、強く締めすぎないように調整してください。(軽く締めて止まった位置から3分の1回転ほど締めれば十分です)

 

以上お試しください。

 


上記の通り、おふたりのユーザーにはほぼ同じような対応でした。お一人は③が原因で解決。実はこのやり取りの中でもうお一人のユーザーさんにはシャーシアッセンブリー(リチウムイオンバッテリー、microSDカードを含む)で交換対応をしました。

しかしながら「作動がおかしい」とされたシャーシを手元にあるヒルトに装着し、何度もテストをして異常な動作は確認されませんでした。結構激しくソファのクッションをぶっ叩いてみたり、振り回してみたりといろいろやってみたのですが、まったくの正常という結論。お客さんもウソを言っているわけでもなく、お問い合わせいただいた症状をご報告いただいたので、シャーシ交換をという対応をしたのですが、最後の最後までとても不思議なことでした。

上記事例のAで①はしっかりやっていただいているとのことでした。④も当店で確認しましたが問題なし。
なので、おそらくは②か③が原因、もしくはその両方が複数原因としては濃厚だったのだと思っておりますが、この件はその後は無事に問題なく、お使いいただいていたようです。

今回のブログで冒頭にも説明しましたが、XenoPixel時代初期のころなのでユーザーの皆さんも操作には不慣れ。そしてOK!STOREでも何から何まで経験を積んでいたわけではないの「それは②が原因です!」とは言い切れない時でありました。

 

このブログ記事で検索をしていただければ設定ファイル(config.ini)にてモーションコントロールの使うか使わないか、そして使うのなら感度は?という設定変更の説明が見つかると思いますが、こういうことは何度記載をしておいても「その記事が見つからない!」というよりも良いと思うので、現在のOK!STORE主力サウンドボードでもあるXENO3で説明を簡単に書いておきます。

尚、サウンドボードによっては「スタブ」を「Pull」「Push」と言っている場合もありますが、同じ動作の事です。

 

◎XENO3のconfig.iniでのモーションコントロールの設定部分(赤字の部分)

 

見ればわかると思いますので、あえて操作方法は記載はしておきませんが、Bluetoothアプリ「Xeno Configurater」でもconfig.iniでする方法と同様の設定項目があります。

ビギナーにとってはカスタムライトセーバーは多機能で複雑という感じがあるかも知れませんが、こうして一つずつ紐解いていけば決して難しくはありません。

また、いつもこのブログで書いているように「故障なのか?」と思う前に、その時の状況を知るための情報を検索してみることをお奨めします。