皆様こんにちは!
いよいよGUNGI カスタムライトセーバー製作レポートも佳境となり、第3回目です。

今回のカスタムライトセーバー製作については、まるでモデラーがガレージキットを組み立てるようなノウハウと、カスタムライトセーバーのノウハウと半々という感じです。
言わば、どちらの制作技術もある程度無いとちゃらんぽらん状態です。

 

今回のブログではカラーリングのレポートをメインに。
塗装をして色を表現していくわけなのですが、これは難しいところです。
通常の劇中に登場したプロップモデルでしたら、既に設定資料等の情報が手に入り易いのですが、何と言ってもこのセーバーは実写版に登場したわけでもなく、3Dアニメーション作品の中で「ギャザリング」というジェダイになるための訓練を受けるという場面で少し登場しただけ。

しかもウーキー族の故郷キャッシークに生息している木が素材として使われているという設定なので、参考資料など皆無…、いや、待て!!われらがライトセーバー図鑑があるではないか!!これに写真がデカデカと画像が記載されているではないか!!これを参考にせよ!!と神のお告げがぁ…。(笑)


ええ、結構な手元にありましたねww

ということではありますが、ご依頼者の方にどのようなカラーリングが良いのかを聞いてみることに。やはり、色合いはライトセーバー図鑑に近いものがというご希望を聞かせていただき、その色にできるだけ近いカラーリングを目指します。

ただしキャッシークの木は年輪がかなり特徴的で、これを再現するとなるとかなり極細の筆で1日がかり。これをどうするかはある程度の塗装ができてから再度考えることにしようと思います。

 

塗装前の下地処理。

作業手順は …

①バリを取り形成状態でパーツごとのフィッティングをしてあります。

②木製の部分にはサンドペーパーである程度の表面処理をしておく。あまりツルツル、ピカピカ状態よりはウッディーな質感を再現できるのです。

③メタル部分は金属質感なので可能な限りピカピカでツルンとした表面に仕上げるため、念入りにサンドペーパーで磨きこみ、ラッカーパテで3Dプリント時にできてしまうスジスジライン(?)を消した。パテ硬化後サイドペーパー処理。

④サフェーサーで塗膜下地処理。この時点で随分スジスジラインが消え、目地が細かくなりました。

① から ④は手間を惜しむと良い質感が得られないばかりか、塗装表面も長持ちしないので時間をかけてしっかりと作業しました。

ラッカーパテは昔懐かしいTAMIYAのベーシックタイプ。乾燥するのも早く、肉厚0.5mm程度なら1時間で硬化します。

下の写真にあるパーツはすべて金属パーツということになるので、ざらざら部分が無くなるまでペーパー処理をして、パテでの表面処理を終えた状態。

よく見てみるとパテが埋まっている部分(3Dプリンタースジスジライン)がどうなっていたのかよくわかります。

写真のパーツも木製グリップの部分もすべてサフェーサー#1000で軽く塗装しました。後に接着する部分は強度維持のためマスキングして塗装はしません。

他のパーツ類もすべてこのように。

ここまでが下地処理。塗装前にすべき工程です。

いよいよ ここからがこのライトセーバーの難しいところ。今回の山場でありました。

木製部分の質感、木目調、色合いを表現するのは全行程の中で一番ハードルが高かった部分です。そして、二番目にハードルが高かったのがメタルパーツの金属感の表現。どちらも作業には一番苦戦した部分だと思います。

木製部分の塗装に使ったのは水性のプラモデル用の塗料4種類と水性ニスを2種類です。

 

手作業で年輪を表現するのは難易度MAX!!いくつかの木目ラインをペイントしたら指先でなぞってボカシたり、時にはスポンジを使用したりして、木目の方向を統一していきます。これをして水性ニスを塗り、更に同じ作業を何度も繰り返し、その都度、ウォールナット系の水性ニスを何度か重ねて上塗りで使用しています。

作業途中の状態ですが、3回目か4回目くらいでだんだん雰囲気もそれらしくなっていきます。

塗装するときに木目調になる部分を仕上げるコツは極細の筆を使ってラインを書き、半乾きの頃に指でこすりながらボカシを加えていくと質感が表現できます。

これもこのヒルトの製作者に質問で「塗装した状態での販売はしないのか?」と訊ねたときに「コストがかかる。お客さんはそれを支払うだけの価値観を見いだせない」、「そして時間もかかるから今は塗装した完成品の販売はしない」という返答だったのがわかる気がします。しかもサンプル画像がこれでしたので…。

ちょっと、これだとメタル部分は黒が強く、木製部分は赤茶色系が強く感じられます。初めて指示されたURLでこの画像を見たときにはそう思いました。重量感は表現できている感じですね。これはこれで作者の苦労がやっとわかりましたし、OK!STOREスタッフもこの製作に関わりとても良い経験ができたと思っています。

塗装中の状態ではありますが、ほぼ最終段階の塗装工程終了直前の写真です。

メタルパーツの塗装などもシルバーを塗ってから薄くメタリックグレーなどを塗ってあります。細かいパーツもあったので、こちらはパーツごとに少し色を変えることで別パーツ感も表現。

 

これらを最終的に組み立てるレポートを次のブログで!GUNGI(グンジ) カスタムライトセーバーの製作レポートも最終回です。完成品の公開ですが、このブログが公開されるときには、このカスタムライトセーバーはオーナーさんの手元に届き、多くのライトセーバーと一緒に展示していただけるのだと思います。

ほぼ全ての公式キャラクターが持つライトセーバーをコレクトされていらっしゃる方なので、その中の一つに加えていただけるのを光栄に思います!

 

それではまた次回!!