モノづくり、1点モノの製作日記がテーマのブログなのですが、今年2月のサーバー障害以来Webサイト構築&リニューアル話題ばかり。

僕自身もモノを作るというよりは、このところ修理作業が多くなり新しく作るオリジナルアイテムに中々着手できなかったんですが、やっと取り掛かれるデビルスティックの製作日記スタートです。

まずは、これまで頑張ってくれていたフラッシュデビルスティックですが、製作当時の記事も消えてしまったので、こちらも少しだけ過去の写真を使って改めて記載します。

ケイタがスピニングマスターズとして一緒にパフォーマー活動を開始した時から、デビルスティックが上手かったのでケイタが担当していました。

デビルスティックと言えばDube社が有名で、ケイタも好んでDube製のトライゴンやプリズムを愛用していました。

現在販売されているデビルスティックはどんなものなのか、それはよくわかりませんが、当時は選択が3社ほどしかなかったこともあって、樫木を素材としていて安定した使用感で、コンコンと拍子木を鳴らすように木の音が小気味良かったことが印象的でした。それから何社かのデビルスティックも試したりはしましたが、結局トライゴンに戻ってしまい、最後の最後まで愛用していたのはトライゴンでした。

スピニングマスターズが寸劇のようなジャグリングショー「爆笑!西部劇」をしていたころは、デビルスティックの代わりにホウキや、ごみ箱を使ったパートもありました。スピニングマスターズにとってはこの頃が成長期だったと言え、この演目をやっていた時代が無ければ今のスピニングマスターズはあり得ないと思います。

それからスピニングマスターズでも火気を使うようになり、ジャグリングのクラブもファイヤートーチへと変わったほぼ同じタイミングで、デビルスティックもファイヤーデビルスティックへとスイッチ。

このファイヤーデビルスティックもケイタが使いやすいと言うバランスを探るためと、先端に取り付けてある耐熱布を巻く量や、染み込ませる燃料の量などによって大きくバランスが変わるので、ちょっとしたウエイトを取り付けられるようにしてあったり、微妙に調整が聞く構造にしてありました。市販品はこれができないので、ウエイトやバランスがちょっと違ってくるだけでもコントロール性が変化してしまうデビルスティックにはオリジナル製作するほかありませんでした。

ファイヤーデビルスティックも長く使っていて3本製作しました。

当時はファイヤーショーができる大道芸現場も多く、ファイヤーデビルスティックが好調で、ケイタも火気OKであればファイヤーデビルスティック、イベントでは普通にDubeのトライゴンやたまにラディカルフィッシュというメーカーのも使用していました。


※写真の上から4本目までは2018年頃までにメイク&トライをしていたプロトタイプのフラッシュデビル。一番下がケイタがお気に入りだったDubeのトライゴンで、その上がラディカルフィッシュ。イギリスのメーカーだったかな?

しかし、火気が使用できないイベント出演や当時は頑張って通っていた東京都のヘブンアーティスト活動で、同じ演目の並びでショーができなかったため、当時は先行してファイヤートーチに代わるものとしてLEDを仕込んだ疑似トーチが完成していて、ではデビルスティックも光らせてみよう!というLEDデビルスティックへのオリジナル製作へと進んでいきました。

製作に取り組むこととなって最初に材料の選択がいきなりの壁でした。

アクリルパイプはクリアー感があって入手もしやすいのですが、デビルスティックの本質「叩く」ということを考えると衝撃に弱いアクリルは向かなかったのかも。試作品を作りましたが、やっぱり簡単にクラックが発生しました。

その時は光源としてサイリュウムを使用しました。100均などでも売っているポキッと折って光らせるアレです。4本を入れられるように長さを合わせてアクリスパイプをカットし、両先端にラバー製のクッション材を取り付け、厚さ0.5mm程度のビニールシートを三角形にカットして物を両先端に行くほど太くなるように貼り付けて作ったのがプロトタイプ第一号。

しかし、これは先にも書いた通り、割れるし、サイリュウムが1回のショーで4本必要になるし、コントロール性があまり良くなく、すぐにプロトタイプ2号機製作開始。しかし、ここでスピニングマスターズのショーに大きな変化が。

ショーの前座的に登場していたケイタが担当するデビルスティックは、スピニングマスターズの津軽三味線へのチャレンジで、しばらく入れ替わりのネタとしてデビルスティック登場の回数が大幅に削減。

僕の開発仕事も津軽三味線用のマイクなどに追われ、LEDデビルスティックはOK!ヒロヤがソロショーをスタートするころまで休止となりました。

やがて、2015年12月にケイタはスピニングマスターズから離れ私たちのパフォーマンススタイルも、体制も大きく変わります。

2016年からスピニングマスターズの体制は3人となり、OK!ヒロヤも様変わりする自分のショーを構築するために没頭し、僕もソロショーに合わせたオリジナルのパフォーマンスアイテムを急ピッチで作り続けました。

ソロショーが、ちょっと安定してきたかなと思えたのは半年後で、そのころにOK!ヒロヤもデビルスティックを演目に組み込むための練習を開始。ほとんど触ったことがなかったデビルスティック。毎日時間を見つけては練習していましたし、ケイタと会えた時にはアドバイスをもらったり、レクチャーしてもらったりもして、やっとデビルスティックを演目として登場させるところまでこぎつけます。

最初のころはラディカルフィッシュを使用したノーマルなデビルスティックを使用して簡単な技のみで前座的なネタとしての登場のみ。

同時にLEDを使用したデビルスティックを改めて開発を再スタート。

アクリルパイプではなく、塩ビ管のクリアータイプが発売されていたので、少しでも衝撃に強い塩ビ素材をベースにして、光源には高輝度のLEDを両先端から中心に向けて照射するタイプで設計。

LED製で難しかったのはLEDのチョイスとバッテリーの組み込み。一番手っ取り早い方法として小型で強力なLED懐中電灯を組み込むことで作業時間を短縮。当時の私たちスピニングマスターズにとってはできるだけ早くOK!ヒロヤのソロショーを完成させたいという思いがあり、クオリティーよりもとにかくすぐに実践投入可能なアイテムが必要でした。

このフラッシュライトと呼ばれている懐中電灯を選択し加工をはじめました。

 

ここまでは「どうやってフラッシュデビルスティックは誕生したのか?」という経緯を書きましたが、この続き「フラッシュデビルスティックの作り方」は次回のブログで。

それではまた!

つづく…。