いや~、今思い返してもスピニングマスターズのディアボロ歴というか、芸歴も同じですが、随分長い道のりだったと思うし、まぁ良くここまで続いていると感心すらしております。(笑)
スピニング号編、ファイヤーアイテム編と続いて今回はディアボロ編です。
ショーで使用しているディアボロ。
現在は販売終了となりましたが、オンラインウェブショップ OK!STOREでも販売していたディアボロサンダーというモデルを使用しており、これもまたケイタが登場するようになってからは使用する数もビックリするほど多くなり、道具箱に入れて持ち歩いているのが9個。内訳は3個が5ベアリング仕様で、5つが固定軸仕様、そして1つが特殊仕様で計9個が現在のスタメンでございます。
記憶が定かではないのですが、確か2016年まではサンディア製のシャオリンをメインに使用していましたので、このディアボロを本番のショーで使用するようになってからはかれこれ8年?9年ほど経っていて、ちょんまげケイタが復活したときにはこのディアボロとは初対面でした。初対面どころか、ベアリング仕様のディアボロを使うことすらケイタにとっては初体験だったと憶えています。
昔、このブログでも何度か話題として取り上げていたと思いますが、契約サーバーがダウンしてデータが消滅してしまって、その記事は現在は残っていないと思いますので、古い編集データーを保存しているバックアップ用ハードディスクから探してみました。(笑)
下の画像のクリスタルクリアーとクリアーレッドを現在も使用しています。
実はディアボロのカップサイズは直径110、120、125、130と4タイプあり、現場で使い分けていた時代もありました。現在は一番標準サイズの125を使っています。
最近はいろんなディアボロが登場し、使い方に合わせたアクスルやカップの変更ができるなど、カスタマイズ性の高い新しいディアボロもあるようですが、もうすぐディアボロ歴30年となるスピニングは、古風で時代に流されない(そう言い張っているだけですが…笑)ので意外と最新のディアボロを使ったことがない、ベアリング仕様のディアボロもショーで使用するようになったのもそれほど前のことではなくこの3年ほど、しかもショーの中の演目でディアボロのパートでもほんの一部でしか登場しません。
実践投入したてのディアボロサンダー クリスタルは透明感があり、LEDユニットを装着すればナイトパフォーマンスでの視認性はこの上なく良く、美しく光って活躍してくれていました。
ですが、、何年も使用してきてカップの傷や汚れも多くなり、お客さんにお見せするショーではちょっとためらうくらいの状態になっておりました。
お家芸で使う道具がそんな状態ではディアボロにもお客さんにも申し訳ない…と、リフォームして綺麗にしてあげることに。
これは天気にもよると思うのですが、クリスタルクリアーのディアボロカップは曇り空に投げ上げた時の視認性があまり良くないとの意見もプレイヤーから出ていたこともあり、クリアーレッドはそのままで良いとして、クリスタルクリアーの視認性を向上させる作戦。
そこで2024バージョンではカップのカラーリングをオリジナルにするために染めることにしました。使用したのはこの染料。様々なのカラーをアマゾンで購入可能です。1パックで十分4個(8カップ)を染めることができ、少し染料原液が余ったほどだったので1パック購入すればディアボロ5セット分くらいは染まると思われます。
この染料を使用するにあたって心配したのが、染めるときの温度。温度というか、ディアボロカップを煮る(?笑)必要があったこと。70度~90度の温度で5分程熱しながら染み込ませるという作業工程でカップが変形してしまわないかと、そこが気になりましたが、やってみないとわからないし、テストに使用できるディアボロカップは沢山あるのでレッツ トライ!!
スピニングマスターズはマスカットグリーンをチョイス。
こんな感じで準備しました。
スピニングでやった作業手順は以下のようにしました。
① ディアボロを完全に分解し、ディアボロカップをブレーキパーツクリーナー、アルコールなどを使用し念入りに洗浄。
② 染める作業直前には薄めた中性洗剤で洗いました。
③ 100均ショップでディアボロカップが入るくらいのステンレス製のボールを2つ購入。
④ 購入したプラ染太郎を半分ステンレスボールに入れて沸騰させたお湯で15倍ほどに薄めて染料液を製作。もうひとつのステンレスボールには40度ほどのぬるま湯を用意。バケツにはきれいな水に薄く中性洗剤を解いて洗浄用として用意。
⑤ キャンプ用のガスコンロを使用し、弱火で70度位を保てるようにセッティング。屋外での作業だったので風によって温度低下しないように風防リフレクターパネルも使いました。
⑥ キッチン用のタイマーをKEIKOママから借りて最初は4分にセッティング。
⑦ ディアボロカップを針金で吊るせるように加工して、いざ染める工程スタート。
⑧ ステンレスボールの中でゆっくりとディアボロカップを回しながら4分。意外とカラーサンプルで蜜よりも濃く染まっている感じです。
⑨ 綺麗に色が付いて染まったことを確認したら、ぬるま湯のステンレスボールの中へ。この時にぬるま湯は色が殆ど変わらず、意外と色落ちしません。しっかり染まっていたことを確認。
⑩ 更に薄い中性洗剤でディアボロカップを洗って自然乾燥。
⑪ 途中5個目くらいのディアボロカップから色がほんの少しだけ薄く感じられたので、プラ染太郎の原液をちょっとだけ目分量で追加投入。
※この作業中の様子はOK!ヒロヤのSNSでも投稿されていました。
⑫ その後もガスコンロの火力調整をチェックしながら8個のディアボロカップを全て同じくらいの濃さに染まるのを確認しながら、最長で5分までの時間調整もしました。
ひとつも失敗なく、カップの変形もせず無事に4個分のディアボロカップをマスカットグリーンに染めることができました。途中で確認した時にも思いましたが、カラーサンプルより濃く染まっている感じですが、紫外線で少しずつ色が薄くなるということなので、使い始めは濃い目の方が良いのではとの判断。
このマスカットグリーンのディアボロは全てベアリング軸仕様となりショーに登場します。
次にクリアーレッド5個のディアボロもすべてのデコレーションを剥がしてお掃除。今回染めたマスカットグリーンのディアボロと同じデザインでカッティングシートなどを使用してデコレーションをして完成です。
使用しているカッティングシートはある程度の伸縮性(カップの内側が湾曲しているため)と紫外線による変色と劣化に強い屋外用であるのが望ましいです。
ちなみにディアボロカップに貼るカッティングシートは3M社製の極薄のがお奨め。いきなりキラキラの反射シートを貼ってもすぐに剥がれてしまうので、昔からスピニングは薄いフィルム状の白いカッティングシートをカップに貼ってから、その上に反射テープを貼っています。
ベースにした白のカッティングシートは、特に3Mのスコッチカルシリーズに拘ってはおらず、昔からそれを使っているので素材のストックが大量にあるというだけ。(笑)代用できる安価な素材はネットで「極薄」「屋外対応」「対候」「光沢」などで検索をすれば最適な素材はたくさん見るかると思います。
次にディアボロといえばLEDユニット。
過去には自作で何度か製作したものを使用していましたが、現在はSUNDIA社製のユニットを改造して使っています。
ディアボロのアクスルに取り付けるためのネジがSUNDIAはインチ、スピニングのはミリなのでネジ山が違うためユニットのケースのネジをサイズが合うように加工してあります。更に標準の市販品はネジ山がやや不足しているので、その点も考慮して加工して使いやすいようにしました。
2022年の夏まではLEDユニットを点灯させても点灯させなくても装着したまま使っていました。1つにはディアボロのウエイト。大道芸現場などで強風の時の対策としてある程度のウエイトが必要だったのでそうしていましたが、デメリットとしてどうしても回転時の空気抵抗があり、回転力が落ちやすいので、ちょうどちょんまげケイタが復活した時あたりからナイトショーやステージショーで点灯させるとき以外は取り外しています。
代わりにウエイトとして調整しやく空気抵抗も無いので扱いやすいのがステンレスワッシャー。固定軸のディアボロは4ディアパスの演目があるため、これを片側2枚重ねて、1つのディアボロで4枚ウエイトとして使っていますが、なかなかの使い心地のようであります。
このステンレスフラットワッシャーも大量に購入してありましたので腐るほどあります。(笑)
ちなみにベアリング仕様のディアボロはメインで使用するOK!ヒロヤが軽い方がストリングスの負担が少ないというメリットがあるとのことでステンレスワッシャーは装着しておりません。標準のプラワッシャーのみです。
僕も自分自身でディアボロを回すことくらいはできますが、実践的な確認はプレイヤーであるケイタとヒロヤの手応えを確認してみないとわからない部分もあるので常に最終確認は二人がしております。
室内で使う分には気にしないところも、屋外で、特に春の桜の現場、梅の現場では強風の日が多く、風の影響でトスの軌道がズレるのを極力抑えたい目的で、ナイトショー以外の現場で使用するディアボロはウエイトバランスは重要です。
OK!STOREのステッカーも大量にあるので、デコレーションとしてワッシャーにはりました。これでデイライト用が完成。
LEDユニットに使用されているリチウムポリマー二次電池は非常に小型で、ドローン用のものとほぼ同じサイズなので、交換パーツとして入手が可能です。
スピニングマスターズも耐熱布と同じように中国から大量に輸入。モノがモノだけに、日本製というのが見つかりませんし、使えそうなリチウムポリマーを見つけてもかなりの高額。(新品のLEDユニットを買い替えた方が良いというレベル)
ホント大量です。(笑)こんな小さなものですが、リチウム電池なので空輸すると輸送費が高額、船でなら送料がかからないとのことだったので12月中旬ごろにオーダーして手元に来たのは1月末。ナント長旅だったことか。
それでも容量的にも1.8倍ほどで、プライス的にも20個購入してもLEDユニット1セット分ほどのプライスでした。
ノーマルと比較してみました。容量が大きいので当然ですが、サイズは少し大きくなります。(上が標準、下が今回の交換用として購入したもの)
上記画像を注意深く見ると上の標準のリチウムポリマーはケースが膨張しています。何度も充放電を繰り返し、長い期間使い続けてきたので、蓄電能力は殆どない状態ですが、分解してみてこれほど膨らんでいるとは…。
いくつかのリチウムポリマーバッテリーも同じような状態になってしまっているのを見つけました。安全管理のために今後も注意は必要です。
充電ケーブルを指したまま長時間放置したことはありませんが、過充電、過放電はリチウム系のバッテリーにとっては危険です。また、スピニングのケースでは、LEDを点灯していなくてもユニットを装着したまま炎天下で使用することもあったので、高温による影響だったのかも知れません。
少し大きめですが、LEDユニットのケースをちょっとだけ加工すれば収まります。
できるだけしっかりと固定できるように強力な両面テープでマザーボードにリチウムポリマーバッテリーを貼り付けました。
それほどハードルの高い作業ではないのですが、個数が大量となると作業するのもウンザリしちゃいます。
本当はもっと自分自身に時間があれば3Dプリンターでユニットのシェルケースを製作し、LEDではなく、ネオピクセルを組み込んだもっと明るくカラフルにライトアップできるディアボロ用のライトアップユニットを作ってみたいとも思っておりますし、実は軽く設計はできているのですが、自分の時間はもっと他のこと、例えば孫たちと遊んだり、お出かけする時間も自分にとっては一番重要かつ、最優先なので、ディアボロだけに限らず、道具作りにだけ時間を費やすのも嫌だと思っています。
ちょうど本日が誕生日でまた一つ歳を重ねてしまいましたし、もう十年以上も前のことですが、癌を患った時に生命の危機を感じたことがあり、定期健診のたびに何か一つでも「要精密検査」などと検査結果が届いてしまうとドキっとしてしまいます。これまでは音楽活動もモータースポーツのことも、そしてパフォーマンスのことも全力でやってきましたが、これからはもっと家族と過ごす時間を大事にと、そう考えております。
ちょっと話題が脱線しました。(笑)
これでユニットを組み立ててナイトショー、ステージショー用に使用するLEDユニットが完成しました。点灯テストもバッチリ!!
このドローン用のリチウムポリマーバッテリーを流用するメリットは標準バッテリーよりも容量があるので長めのルーティンでもLEDの光り方が衰えることは無く、一度の充電で長持ちです。それにはやり3年、4年も使っていればバッテリー自体がヘタるので画像でご覧いただいたようにリチウムイオンバッテリーが膨らんでいたら早めに交換するべきでしょう。
スマホでもタブレットでも長く使用していてバッテリーがヘタっているのに無理やり長時間充電していてスマホケースの中で熱を持つケースや、ひどい場合には液晶ディスプレイが浮き上がってくるというようなことも。
スピニングマスターズもリチウムイオンバッテリー、リチウムポリマーバッテリーの取り扱いやメンテナンスには十分に気を付けております。
今回はディアボロの話題でしたが、次回は音響機材や照明機材、電源確保できない場合のポータブルバッテリーなどについてを書く予定です。
それではまた!