前ブログからの続きです。
LEDデビルスティックを作るきっかけはなんだったのか?、どうして必要だったのか?を前のブログ記事で書きました。
最近のこのブログでありがちな懐かしい写真もいっぱい登場でしたが・・。
今回はOK!ヒロヤがつい最近まで使用していたフラッシュデビルスティックの製作プロセスを紹介します。
アクリルパイプでは材質そのものの強度不足で、デビルスティックとして使用するには不適合だったというところまでは書いてあったと思います。2016年にOK!ヒロヤソロパフォーマンスに合わせて製作したのが透明塩ビ管を使用したものでもう一度プロトタイプを試作。
透明塩ビ管は、そこまでクリア感はないのですが、ガラスのような透き通るクリア感は必要なく、むしろ蛍光灯くらい乳白色の方が光を拡散できてよいので、この透明塩ビ管をチョイス。この透明塩ビ管(呼び径20)TV20X1Mの1m はそこらへんのちょっと大きなホームセンターでなら入手できるかと思います。ついでにブルーの継手(透明TSソケット)これも入手は難しくありませんでした。※後に書きますが、結果的に塩ビ管もデビルスティックに使用するためには強度が足りず、3本試作してしばらくは使えていましたが3~5ヶ月で次々と2本も折れ、現在は1本しか残っておりません。
さて、製作プロセスのレポートです。
呼び径20の塩ビ管は外形が約26mm、肉厚3mm、内径は約20mmです。ハンディライト(フラッシュライトとも言います)も20本ほど買い込みました。
LEDはCREE社のQ5など、できるだけ中国製の安価なものでも信頼性のある製品を選びました。ネット通販などでよく見かける 〇〇〇ルーメン、照射距離〇〇mなどと明るさを表記していますが、これらのスペックは大体はあてにはなりません。(笑)
LEDはCREE社の高輝度タイプであること、14500のリチウムイオンバッテリーに対応していることを条件にして探し、僕も最初は1~2本購入してみて実際に手元に来てから自分の目で確認し、その後大量発注をしました。
この内径20mmに挿入できるようにハンディライト分解して、不要な部分をすべて削りました。
まず、ズーム機能は必要ありません。必要なのはレンズ、LEDユニット、メインボディー、プッシュスイッチユニットだけ。①の状態からズーム機能を取外し、②のようにヒートシンクをノコギリで切り取り、③のようにパイプに挿入する部分をヤスリで仕上げます。
当時のブログにこう書いていた記憶があります。「旋盤やフライス、ボール盤などを使用しないでフラッシュデビルスティックを作ってみます!」と。
事情はOK!ヒロヤのショーで可能な限り早く使用したかったので、外注や友人に頼んでいる時間も惜しかったから、自分でアルミ用のノコギリとヤスリだけを使ってゴリゴリと完全手動の切削作業をしました。
作業はどれだけやり易くするかによって、作業時間も仕上がりも大きく変わります。
この時も治具となるものを即席で作りました。
なんの部品だったかは忘れましたが、手元にあった適当なネジを使って、要するに角材に垂直にハンディライトのボディーが固定できれば良いのです。
適当な角材をベースにして、削るハンディライトのボディーを固定できるようにネジを埋め込み治具を作りました。
おかげでバイスを使用しなくても手で持ってしっかり固定でき、作業はスピードアップ!!
ノコギリでヒートシンクのフィンをカットしたら、ヤスリで粗削り。もう、手が死にそうでした。(笑)
いかに手作業でもキレイに作れるか、というチャレンジ記事でもあったので、本当に電動工具などは使わず、ノコギリとヤスリとサンドペーパーのみで3時間か、4時間くらいは格闘して2本を仕上げました。
LEDユニットもボディーに取り付けてみると外径が少し大きいので、パイプに入るようになるまで現物確認しながら合わせて削ります。LEDや基盤にアルミの削り粉が付着してトラブルにならないようにマスキングも忘れずに。
できるだけぴったりと入るように。ガタがあるとデビルスティックとして使った時に妙な振動が発生します。逆に固すぎて無理やり入れればパイプにクラックが入ります。少しキュっと入り、簡単にスルスルと抜けてこない程度に調整しながらサンドペーパーで仕上げました。
スイッチ周りのでっぱりも不要で、最後にキャップを装着するときに邪魔になるためカット。も、手が疲れてたので写真のも粗削りです。(笑)
これで光源となるハンディライトは一応完成。
続いて透明塩ビ管に拡散用のレンズを取り付ける作業。
レンズ位置はあらかじめ測定しておいて、その場所のパイプ側面に5mm程度の穴をあけました。レンズを接着するため4方向から4つの穴を開け、それぞれにテーパーの面取りもしておきます。
ハンディライトを分解したときのレンズを、これもパイプの内径に合わせて削ります。
穴位置にレンズの淵が見えたら、2液性のエポキシ接着剤で固定。
このエポキシ接着剤は100均のダ〇ソーで買いましたが、これで十分です。僕はコレ、よく使います。
テーパーになっている部分が隠れパイプ外径と同じ面になるように、2~3回繰り返してエポキシを盛りました。
片側のレンズが接着出来たら、もう片側のレンズを接着してしまう前に拡散効果を得るための、もう一工夫。
僕はトレーシングペーパー(半透明のフィルム状になった紙)をロール状(2重程度に)に巻いてレンズとレンズの間になるように距離を測定してカットしてから入れておきます。
トレーシングペーパーを入れたら反対側のレンズも同じように接着。エポキシが固まったらここで一度点灯チェックをするために実際にハンディライトを装着してみます。レンズの位置もOKです。
眩しいくらいに強烈な光方でした。
続いてハンディライトを固定するためのキャップ作りです。透明TSソケットの登場!!
フラッシュデビルスティックの両先端に付けるので、エンドラバー(クッションパーツ)を取り付けます。
外観にバリがあるので削り取り、外径を綺麗に整えました。
透明TSソケットは片側から20mmの位置でカットしておきます。20mmの長さでカットした方は透明塩ビ管に接着をしてキャップのストッパーとなります。
ハンディライトを入れて図のように位置決めをしてストッパーを接着しハンディライトが固定されるかを確かめます。
ハンディライトの中央辺りにある出っ張った部分が透明塩ビ管とソケットに挟まれて動かなくなるようにしました。ちょうどスイッチ(黄色い部分)がソケットの端から、やや飛び出すくらいになり、プレイヤーはここを押してスイッチ操作できるようになります。
キャップとなるソケットとエンドラバーを接着してスイッチが押せるくらいの大きめの穴になるようカッターナイフで削りました。
両端にハンディライトとキャップを装着し完成。
かなり明るいので、デイライトの大道芸などでも使えそうでした。
これがフラッシュデビルスティックのプロトタイプ1号です。
Dubeのトライゴンやラディカルフィッシュと比較してもサイズ的には大きな違いはありません。
この後、オレンジとレッドの蛍光色のビニールシートを巻き付けてちょっとカラフルにして、デビルスティックとしてもグリップ感を向上させるために改良した2号機、3号機があります。
しかし、先にも書きました通り、冬の大道芸で気温が低かったからか、いつも太陽光線にさらされていたからUVで劣化したからなのか、3本作った内の2本が折れてしまいました。
やはり塩ビ管では衝撃に弱く、折れたときはいずれもアイドリング中にスティックで叩いたところが折れたのではなく、2回転、3回転と高速でスピンさせていた時にドロップし、地面にヒットした時。しかもレンズを接着した部分なので、接着剤溜りをするためにテーパー加工した部分。
しかしながらどういう理由でもショーをしているときに折れるというのはプロが使う道具としてはアウト!
次のパイプ素材を見つけるまでレンズの接着はパイプではなく、LEDユニットの方にダイレクトに接着して半年ほど我慢をしました。と、ここまでは、まだまだ過去のエピソード。あくまでもこれまでやってきたことの足跡でしかありません。
次回ブログにて、セーバースピンパフォーマンスとの出会い、そしてライトセーバーのブレードを使用して確実な強度アップに成功したというエピソードです。そう、コロナ自粛で見つけた解決策と新しいデビルスティックの試作へ進みます。いよいよフラッシュデビルスティックの最終形態へ。その後、ネオピクセルのデビルスティック試作品の進捗状況を!
それではまた!!