皆様こんにちは!
いつもOK店長ブログを読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、今までに無い未体験なお話です。
私のTwitterご覧いただいてる方には、何の内容かすぐにご理解いただけると思います(笑)

ある日、ある御方から「このURLにあるヒルトを輸入して、実際に光るようにカスタマイズできませんか?」という感じの内容でご連絡を頂きました。

GUNGI (ウーキー族)のカスタムライトセーバー ディスプレイ モデルを、音もなり、ブレードも稼働させるのか?というプロジェクトの話題です。話が長くなるので何回かに分けて完成までのレポートを公開します。

オファーを下さった御方へ明確に「お受けします」とお返事させていただく前に、当店のエンジニア(スピニングマスターズの音響、道具の担当)とも少し相談してみて、実際に可能なのか?下調べで何を確認する必要があるのか?など少し検討はしましたが、「こりゃぁ面白そうだから受けてみよう!」ということになり、このプロジェクトがスタート!!

少し前のブログ「いろいろブログを更新してみて」でも公表しましたとおり、私の本業はパフォーマーで、ショースタイルや芸風がショーで使用する道具や機材が90%はオリジナルで自主製作しているという特徴があります。そうなんです、オリジナリティを最優先にしてジャグリング道具も音響機材も照明機材も、ショーの中で度々登場するギミックも、他では無い!唯一無二をコンセプトにしているので、モノ作りということでは芸歴25年、ずぅ~~っとやってきたことなので、そいう工作ノウハウや切削技術などを生かして、これは大丈夫!やれるだろう!という目算8割でオファーを受けることに。(笑)って残り2割は「ごめんなさいっ!!」っていう万一のケースもありうるとご依頼者にお伝えておく用心ぶり。

 

何故かと言えば、ご依頼を受けたときの情報がかなり少なく、一体誰が?何処から?どうやって?物は何でできている?などなど、わからないことだらけ。

正式にご依頼をお受けする前にこのパーツの製作者とメールで何度かやり取りをしました。

URLには3Dプリンターを使用して製作したパーツ数点のセットであることと、商品ページには完成品らしき写真が掲載されていたのですが、現在は塗装前の3Dプリンタから取り出した状態のものしかないということでした。簡単に言うとバリだらけのガレージキットのような半完成品の状態ということまで確認。

更にこちらからはLGT SABERSの代理店であり、おたくの商品をディスプレイとしてではなく、実際にシャーシを組んでブレードも取り付けられ、ブレード起動とスムーズスイングに対応したサウンドボードを組み込みたいが、それが可能かを確認。何度もメールのやり取りが続きましたが、先方は細かく対応してくれました。

「届けるのはこんな状態だよ!」と製作者から送られてきた写真がこれ。

しかし、この状態では内部構成部品(インナーキット)を組み込めません。写真からはサイズすらもわからない。

一番問題だったのはヒルトには元々インナーキット(1インチ用のシャーシアッセンブリー)が入るだけのスペースが作られておらず、また、電源ボタンや充電ポート用の組み込むための加工もされておりません。ここをクリアできなければ実際にブレードをライトアップしたり、振り回した時のエフェクトなどのサウンドも発動させられないので、どうやって組み込むのか?ここが一番の問題点でした。

初期の構想段階ではXenoPixelのインナーキットを組み込むことと、標準のインフィニットRGBのインナーキットを組み込むことと、2パターンを考えておりました。どちらもインナーは同サイズなので、あることに気付くまでは「やれる!」と判断をして進行しておりました。

1インチ用のシャーシアッセンブリーを組み込めるようにヒルト内のスペース確保、パイプ状にするための加工やスイッチ取り付け部の加工など、日本に到着してからこちらで切削加工をするのか?それとも、先方に依頼して3Dプリンター製作時にある程度製作しておいてもらうのか?この判断や、実際に組み込むためのシャーシの実寸をお送りしてプリント時にデータで加工処理をしてもらうことに交渉成立。

そしていよいよオーダーをして到着を待ちます。と、オーダーをしてみて、ここで初めてやり取りをしていたのはアメリカ合衆国だと思っていたのが、オーストラリアだということを初めて知りました。(笑)

メルボルン在住の方が設計製作者で、そこからのEMSでの発送。先方さんが言うには「現在コロナ影響で オーストラリア→日本の航空便が激減しているので、輸送に時間がかかるよ!」ということで、あらかじめ連絡を貰いました。※確かに国際輸送便に関しては3年前と比べると送料や通関も厳しい状況ではあります。

その輸送中も素材は何でできているのか?塗装はしてもらえるのか?などなど聞きたいことは山積み。ですが、コツコツと一つずつ質問をして、時間をかけても確実にとコミュニケーションをしました。外国とのコンタクトでは一度にひとつのことだけを!というのが基本。これはとても重要なことなのです。

まず、塗装についての依頼をしようとした時の問題。

①製作者からの回答では、各パーツの面処理をするのにコストがかかるし塗装までしてもそのコストはお客さんにとって、それだけの金額を支払う価値のないものになってしまう。

②インナーキットやブレードの取り付け状態ができるまで切削加工が必要なので、実際に仮組ができる状態になるまで接着出来ないパーツもあるので塗装ができない。

なるほど、塗装が最終段階だからすべての機能が作動できる状態に組めてから、もう一度分解して塗装をする必要があるということですね。それはその通りだと思います。

それから待つこと約10日。もっと時間がかかると思っていたのですが、意外と早く到着しました。うまく輸送便のタイミング的に、きっと良かったのでしょう。

インナーキットを組み込むためにヒルト本体はポンメル部分で分割にする必要があり、構造上、充電ポートと電源スイッチは90度回転しサイドへポジショニング。

到着した状態。

どう評価すれば良いのかはわかりませんが、材質的には硬質樹脂でまずます。微妙に依頼した寸法通りではないけれど、少し手を加えれば当店のシャーシアッセンブリーで組めるような状態にはなっていました。樹脂製ということを考えれば良くできておりました。

充電ポートとモーメンタリースイッチの取り付け部分とボルト固定用の穴のサイズもほぼ指示通り。ヒルトはに分割でこれも良し!!

ここからは完全にハンドメイドの世界。うちのエンジニアが得意なONE-OFFでの製作です。

写真に2セット写っているのは、万一加工に失敗したりした時のためのスペアパーツとして、オーダー時に2セット分お願いしてありました。

 

ここからがOK!STOREでの製作記。届いたパーツ類は半完成品で粗削りの状態。ここままではシャーシもまだ入りませんでした。この素材をどのように稼働モデル化していくのか!?

ここから先はまた次回。